イブニングレクチャー
2018年11月01日(木) 担当:花井豪(講師)
Reference:
Title:
Cardiovascular and Renal Outcomes With Canagliflozin According to Baseline Kidney Function.
Author:
Neuen BL
DATA:
Circulation. 2018 Oct 9;138(15):1537-1550. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.118.035901.
Abstract:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29941478
Discussion:

CVD 既往を有する、または CVD 発症リスクの高い 2 型糖尿病患者において、カナグリフロジンの腎・CV イベント抑制に対する benefit は腎機能低下症例においても(少なくとも eGFR 30 までは)変わらない。

2018年10月31日(水) 担当:加藤ゆか(助教)
Reference:
Title:
Long-term Relapse of Type 2 Diabetes After Roux-en-Y Gastric Bypass: Prediction and Clinical Relevance.
Author:
Debédat J
DATA:
Diabetes Care. 2018 Oct;41(10):2086-2095. doi: 10.2337/dc18-0567. Epub 2018 Aug 6.
Abstract:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30082327
Discussion:

       肥満手術の一つであるRoux-en-Y胃バイパス術において、現時点で存在する予後推測スコアリングでは術後1年までしか評価を行えていないのが現状である。

       本研究では、「5y-Ad-DiaRem」という、術後5年の予後を予測するスコアリングシステムを新たに開発し、この5y-Ad-DiaRemは、90%の精度をもって5年後の糖尿病寛解を予測することが出来ることが確認された。よって、この5y-Ad-DiaRemは、Roux-en-Y胃バイパス術後の予後を長期的(5年)に予測ができる、簡便で有益なスコアリングシステムと考えられる。

       5y-Ad-DiaRemによる予後予測の有用性は、3つの国のそれぞれの独立した3つのコホートで示され、そのコホートの中には、幅広い年齢層やRYGB前の様々なレベルの2型糖尿病が含まれており、5y-Ad-DiaRemスコアリングシステムの有用性は強固であることが示唆された。

       本研究で5y-Ad-DiaRemを開発するにあたり、術前と術後1年の体重推移のデータが、糖尿病の再発や予後に関連していることがわかったため、今後としては、術後1年間の患者のfollow-up期間の中で、寛解の期間を長期化させるための管理として、適切な体重管理を積極的に行うことや、それを医療者側が患者に対してルーチンケアにすることで5年後の糖尿病寛解率の改善につながる可能性が考えられた。

Category:
2型糖尿病肥満
2018年10月30日(火) 担当:近藤有一郎(後期研修医)
Reference:
Title:
More Similarities Than Differences Testing Insulin Glargine 300 Units/mL Versus Insulin Degludec 100 Units/mL in Insulin-Naive Type 2 Diabetes: The Randomized Head-to-Head BRIGHT Trial.
Author:
Rosenstock J
DATA:
Diabetes Care. 2018 Oct;41(10):2147-2154. doi: 10.2337/dc18-0559. Epub 2018 Aug 13.
Abstract:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30104294
Discussion:
  • GIa-300 および IDeg-100 は、比較的低い低血糖リスクで同様の血糖コントロール改善をもたらした。
  • 低血糖症の発生率および発症率は、全研究期間中の両方のインスリンで同等であったが、調整期間中は GIa-300 の方が低血糖の頻度が低かった。
  • この長期作用型インスリンの選択は、アクセスおよびコスト、臨床的考慮事項などの要因(主治医の判断)によって決定され得る。
Category:
1型糖尿病
2018年10月29日(月) 担当:鈴木美香子(前期研修医)
Reference:
Title:
Diabetic Nephropathy after Kidney Transplantation in Patients with Pre-transplantation Type II Diabetes: A Retrospective Case Series Study from a High-Volume Center in the United States.
Author:
Cimeno A
DATA:
Clin Transplant. 2018 Oct 16:e13425. doi: 10.1111/ctr.13425. [Epub ahead of print]
Abstract:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30326148
Discussion:
2 型糖尿病患者に DN が発症した時、腎移植後おおよそ 4 年であった。患者の 75 % が腎移植後 10 年間、糖尿病腎症の再発なく経過していることが推定された。
また、生体腎より献腎のほうが移植後の糖尿病腎症の再発期間が短く、これはドナーの要因(年齢や病歴、クレアチニン、冷阻血時間の移植片への影響)が糖尿病腎症発症を早めているのかもしれないと示唆された。
今後、プロトコル生検を定期的に施行する前向き研究を行うことは、糖尿病腎症再発または進行予防となり臨床判断のために重要なデータとなるだろう。
2018年10月27日(土) 担当:長谷川夕希子(助教)
Reference:
Title:
Effect of LDL cholesterol, statins and presence of mutations on the prevalence of type 2 diabetes in heterozygous familial hypercholesterolemia.
Author:
Climent E
DATA:
Sci Rep. 2017 Jul 17;7(1):5596. doi: 10.1038/s41598-017-06101-6.
Abstract:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28717233
Discussion:

スペイン動脈硬化学会に登録された HeFH 患者におけるT2DM有病率は 5.9 %で、年齢性別調整後のスペインの一般集団の T2DM 有病率 9.4 %と比較して低かった。

HeFH 患者における T2DM 有病に、LDLRApoBPCSK9 の遺伝子異常、未治療時 LDL-C 値は相関しなかったが、スタチン治療期間が長いほど T2DM 有病率が増加した。

Category:
脂質異常症
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