イブニングレクチャー
2型糖尿病
2018年11月09日(金) 担当:秋山彩香(後期研修医)
Reference:
Title:
Combined effect of glycemic and blood pressure control on diabetic retinopathy among Chinese with type-2 diabetes mellitus.
Author:
Pan CW
DATA:
Diabetol Metab Syndr. 2018 Oct 1;10:73. doi: 10.1186/s13098-018-0377-7. eCollection 2018.
Abstract:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30302129
Discussion:
HbA1C または血圧のどちらかのみを低下させることは DR の有意な減少に関連しませんが、2つの低下を組み合わせることは、DR の可能性を 43 % 低下させることを実証しました。
標準療法の目標値よりも低く収縮期血圧、HbA1Cを降下させることは、T2DM 患者における DR び罹患率の低下と有意に関連していました。
継続的に糖尿病と血糖、血圧の関連性についてさらに調査する必要があります。
2018年11月02日(金) 担当:馬場園哲也(教授・講座主任)
Reference:
Title:
Management of Hyperglycemia in Type 2 Diabetes, 2018. A Consensus Report by the American Diabetes Association (ADA) and the European Association for the Study of Diabetes (EASD).
Author:
Davies MJ
DATA:
Diabetes Care. 2018 Oct 4. pii: dci180033. doi: 10.2337/dci18-0033. [Epub ahead of print]
Abstract:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30291106
Discussion:

SGLT2阻害薬やGLP‒1受容体作動薬などの臓器保護効果を検証した,最近の大規模臨床試験の結果に基づくADAEASD による新しい「高血糖管理に関するコンセンサスレポート」である.

2018年11月01日(木) 担当:花井豪(講師)
Reference:
Title:
Cardiovascular and Renal Outcomes With Canagliflozin According to Baseline Kidney Function.
Author:
Neuen BL
DATA:
Circulation. 2018 Oct 9;138(15):1537-1550. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.118.035901.
Abstract:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29941478
Discussion:

CVD 既往を有する、または CVD 発症リスクの高い 2 型糖尿病患者において、カナグリフロジンの腎・CV イベント抑制に対する benefit は腎機能低下症例においても(少なくとも eGFR 30 までは)変わらない。

2018年10月31日(水) 担当:加藤ゆか(助教)
Reference:
Title:
Long-term Relapse of Type 2 Diabetes After Roux-en-Y Gastric Bypass: Prediction and Clinical Relevance.
Author:
Debédat J
DATA:
Diabetes Care. 2018 Oct;41(10):2086-2095. doi: 10.2337/dc18-0567. Epub 2018 Aug 6.
Abstract:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30082327
Discussion:

       肥満手術の一つであるRoux-en-Y胃バイパス術において、現時点で存在する予後推測スコアリングでは術後1年までしか評価を行えていないのが現状である。

       本研究では、「5y-Ad-DiaRem」という、術後5年の予後を予測するスコアリングシステムを新たに開発し、この5y-Ad-DiaRemは、90%の精度をもって5年後の糖尿病寛解を予測することが出来ることが確認された。よって、この5y-Ad-DiaRemは、Roux-en-Y胃バイパス術後の予後を長期的(5年)に予測ができる、簡便で有益なスコアリングシステムと考えられる。

       5y-Ad-DiaRemによる予後予測の有用性は、3つの国のそれぞれの独立した3つのコホートで示され、そのコホートの中には、幅広い年齢層やRYGB前の様々なレベルの2型糖尿病が含まれており、5y-Ad-DiaRemスコアリングシステムの有用性は強固であることが示唆された。

       本研究で5y-Ad-DiaRemを開発するにあたり、術前と術後1年の体重推移のデータが、糖尿病の再発や予後に関連していることがわかったため、今後としては、術後1年間の患者のfollow-up期間の中で、寛解の期間を長期化させるための管理として、適切な体重管理を積極的に行うことや、それを医療者側が患者に対してルーチンケアにすることで5年後の糖尿病寛解率の改善につながる可能性が考えられた。

Category:
2型糖尿病肥満
2018年10月29日(月) 担当:鈴木美香子(前期研修医)
Reference:
Title:
Diabetic Nephropathy after Kidney Transplantation in Patients with Pre-transplantation Type II Diabetes: A Retrospective Case Series Study from a High-Volume Center in the United States.
Author:
Cimeno A
DATA:
Clin Transplant. 2018 Oct 16:e13425. doi: 10.1111/ctr.13425. [Epub ahead of print]
Abstract:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30326148
Discussion:
2 型糖尿病患者に DN が発症した時、腎移植後おおよそ 4 年であった。患者の 75 % が腎移植後 10 年間、糖尿病腎症の再発なく経過していることが推定された。
また、生体腎より献腎のほうが移植後の糖尿病腎症の再発期間が短く、これはドナーの要因(年齢や病歴、クレアチニン、冷阻血時間の移植片への影響)が糖尿病腎症発症を早めているのかもしれないと示唆された。
今後、プロトコル生検を定期的に施行する前向き研究を行うことは、糖尿病腎症再発または進行予防となり臨床判断のために重要なデータとなるだろう。
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