2015年03月18日(水)
担当:市村靖彦(後期研修医)
Reference:
- Title:
- Outcomes of pregnancy after bariatric surgery.
- Author:
- DATA:
- N Engl J Med. 2015 Feb 26;372(9):814-24. doi: 10.1056/NEJMoa1405789.
- Abstract:
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25714159
Discussion:
肥満手術は妊娠糖尿病と胎児過剰発育のリスク低下と関連するが、一方で妊娠期間の短縮、SGAのリスク上昇との関連が認められ、児の死亡率上昇に関連する可能性も認められた。SGAのリスク上昇に関しては、肥満手術後、妊娠中も継続して体重が減少し、それが児の栄養状態に影響を及ぼしていた可能性が推測された。
Category:
2015年03月17日(火)
担当:砂金知里(後期研修医)
Reference:
- Title:
- Blood glucose concentration and risk of pancreatic cancer: systematic review and dose-response meta-analysis.
- Author:
- DATA:
- BMJ. 2015 Jan 2;349:g7371. doi: 10.1136/bmj.g7371.
- Abstract:
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25556126
Discussion:
空腹時血糖と膵癌羅患の間には用量反応関係を認め、空腹時血糖が0.56mml/L(=10mg/dl)増加するごとに、膵癌羅患率比において14%の増加と関連した。この関連は前糖尿病状態の段階から、同様に認めた。
前糖尿病状態の段階から積極的な介入を行うことは膵癌の予防という観点でも有効な戦略となりうる可能性が示唆された。
Category:
2015年03月16日(月)
担当:内潟安子(主任教授)
Reference:
- Title:
- Gout and the risk of Alzheimer's disease: a population-based, BMI-matched cohort study.
- Author:
- DATA:
- Ann Rheum Dis. 2015 Mar 4. pii: annrheumdis-2014-206917. doi: 10.1136/annrheumdis-2014-206917. [Epub ahead of print]
- Abstract:
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25739830
Discussion:
高尿酸血症(尿酸は血漿中の抗酸化能の50%以上を担うといわれる)があるとParkinson病の発症抑制されることが報告されたので、高尿酸血症とアルツハイマー病との関係を、英国の一般医の電子カルテデータベースを用いて調査した研究である。痛風の定義を痛風の診断名があるか痛風薬が処方有りとして、痛風群と非痛風群の5年(中央値)を前向きにアルツハイマー病の発症の有無を調査したところ、痛風群のアルツハイマー病へのリスクが24%減少したとの報告である。これは血漿中の尿酸値自体との関連がわからない報告なので、これ以上は推測の域を出ないが、薬内服患者も入れての調査だから、尿酸値は正常域に入っている患者さんも多いと思われる。となれば、高尿酸血症を発症しやすい体質が、アルツハイマー病やParkinson病を抑制しているのかもしれない。とすると、メタボリックシンドロームなどで高尿酸血症をきたした場合を考えると、自然に体内の抗酸化能を高めることがおこっているのかもしれないと推測もできうる。
Category:
2015年03月14日(土)
担当:村上弘典(前期研修医)
Reference:
- Title:
- Incretin-based drugs and the risk of congestive heart failure.
- Author:
- DATA:
- Diabetes Care. 2015 Feb;38(2):277-84. doi: 10.2337/dc14-1459. Epub 2014 Sep 9.
- Abstract:
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25205143
Discussion:
DPP-4阻害薬使用において、心不全発症のリスクが増加するのか否かという議論がSAVORTIMI53試験やEXAMINE試験で検討されたが統一された結論はでていない。この論文はイギリスのClinical Practice Research Datalink(CPRD)を利用しインクレチン関連薬内服で心不全の発症リスクを検討した試験である。結果は、HbA1cやBMI、内服歴や病院受診回数などをマッチしたコントロール群との間で、心不全の発症率に有意な差は認められなかった((adjusted OR 0.85 [95% CI 0.62-1.16]). Secondary analyses revealed no duration-response relationship (P trend = 0.39).)。
Limitationとして、一般開業医のみの処方箋を追跡したため内服患者の漏れがある可能性や追跡期間の短さ、DPP-4阻害薬の詳細がないといった点が挙げられるものの、今までの試験と比べて心不全の既往を除外し、新規心不全発症率を追った臨床試験である事から、今後の治療方針やさらなる精査でインクレチン関連薬と心不全の関連が判明する可能性が示唆された。
Category:
2015年03月13日(金)
担当:加藤ゆか(後期研修医)
Reference:
- Title:
- Cellular and molecular basis of wound healing in diabetes.
- Author:
- DATA:
- J Clin Invest. 2007 May;117(5):1219-22.
- Abstract:
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17476353
Discussion:
臨床的には十分な免荷を基準として、FDA認可の生物学的治療を併用する。(PDGF・BBやfibroblart、ケラチノサイトを含む)
また、分子学的に発見されたeNOS活性化やEPC動員を標的とした治癒も今後さらに必要である。
DFUsにおいて、分子学的、細胞学的な解明を進行させると共に、発見されたメカニズムを治療へと転換して、新たな治療方法が求められている。
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